対話と人と読書|別府フリースクールうかりゆハウス

別府市鉄輪でフリースクールを運営しています。また「こども哲学の時間」など

【開催報告】公民館de哲学対話 vol.2

 

 

別府市教育委員会からの依頼で、

未来の公民館を考えよう!をテーマに参加者のみなさんと哲学対話しました。

先日チャレンジしたソクラティク・ダイアローグといい、

今回の公民館での哲学対話といい、結果や結論にコミットしていく対話の在り方は、

ファシリテーターとしても参加者としても新鮮で気付きが多く、

より有意義な対話の場作りのためにも、書き残しておきたいと思いました。

 

 

北部地区公民館の外観。重厚な外観。ガラス張りで中が見えやすく、照明や壁紙が明るいものなら、若い人もふらっと寄りやすいという意見が出た。そういうものを地域の人で作っていく「参加」感が重要であるとも。



担当者と話し合って決めた当日のタイムスケジュール。

 

13:00〜13:05 挨拶
13:05〜13:25 前回の振り返りと今回の哲学対話の説明
 
13:30〜14:00 輪になって哲学対話その1
      「人が集まる、行きたくなる場所とは、どういう場所か?」
14:00〜14:10 休憩
14:10〜14:50 哲学対話その2
      「未来の北部公民館のコンセプト、やりたいことを考える」
14:50〜15:00 終了、片付け

 

 

 

対話のルールを説明する



全3回のシリーズ企画で今回は第2回でしたが、

有り難いことに初参加の方も多くいらっしゃいましたので、

ざっくり前回の振り返りをして(そもそも公民館とはとか、哲学対話とはとか、

公共について考えたハンナ・アーレントや沖縄のパーラー公民館などの紹介)

前半は、「人が集まる、行きたくなる場所とは?」について哲学対話しました。

 

 

みんなできれいな輪になって哲学対話しました


公民館から一旦離れて、行きやすい、行きたくなる場所について

みなさんと考えていきました。

積極的に意見が出ました。

 

〈人について〉

・職員含め、集まっている人がすごく楽しそう

・ある程度の専門家がいる、相談ができたりする

・(常に)困ったときに助けてくれる

 

〈ハード面〉

・スタバのようなカフェ(珈琲などが飲める)

・入り口が入りやすい雰囲気である

・外から見てオープンである(ガラス張りなど)

・明るい照明設計、明るい壁紙

WIFIが充実している

・情報が得られる

・いらない物が必要な人に渡せるリサイクルの場

・本がある

・勉強できる場所

 

〈ソフト面〉

・非日常が味わえる

・スタバのようなカフェ感

・五感が刺激される

・手続きが煩雑でない

・その場に自分自身が関われる

・自分がやりたいことができる

・学びたいことが学べる

 

〈逆にこんなのは行きにくい・・〉

・不潔感、特にトイレ

 

 

 

新しい北部地区公民館のコンセプトを考える

新しい北部地区公民館でやりたいことを考える


後半は、どんな場所に人は集まるのか、行きたくなるのかをみなさんと考えた後に、

実際の新しい北部地区公民館のコンセプトを抽出し、具体的になにをすればいいのかを

考えていきました。白熱してたくさんの意見が出ました!

 

理想的にはコンセプトから具体を導き出せれば良いなと考えていましたが、

具体からコンセプトという理路も含めて行き来しながら考えていきました。

 

【コンセプト】

・ふらっと(フラット)

・雨宿り

・人にスポットライト(あなたの隣はだあれ?)

・みんなwelcome

・わたしの公民館(公民館は私のもの)

・マイパブリック

・リンク

・じわっと

・刺激

・文化の拠点

 

【やりたいこと】

・地域の人に話をしてもらって、地域の人を知る(その方の才能を知る)

・公民館を普段利用している人がしていない人を連れてくる

・市民の希望を聞いた講座を企画する

・公民館だけで完結させずに、地域の人に投げる

・公民館から出て行く。移動させる(講師を学校などに出張)

・PTAや自治会などの組織と公民館をリンクさせる(企画が早く実現されやすい)

メタバース空間を作ってコミュニケートする(実際の老朽化した物理空間にとらわれない)

マクドナルドのような冷房とWIFIを充実させる(若い人は来る)

マクドナルドとコラボ(公民館でつくったものをマクドナルドで視聴できる。マクドナルドラジオ大学のような企画)

https://hillslife.jp/art/2019/05/30/mcdonalds-radio-university/

 

※やりたいことには前半部で話された内容も含まれていくようにします

 

みなさんのおかげでとても有意義で豊かな対話の時間を過ごせました。

結論、結果にコミットしていくファシリテーションの在り方は、

私自身も多くの学びがありました。以下メモとして残したい。

 

〈通常の哲学カフェとの違い〉

・ひとそれぞれで終わりがちなのをやめる

ファシリテーターが口も頭もよく動く

・目標がはっきりしている(コンセプトや定義を考えるなど)

・目標がはっきりしているので、みんな考えやすい

・目標があるので協力的な関係が生まれる

 

この手応えが他にどう応用が利くのか。凜とも話したところ・・

〈一般的な話し合いとの違い〉

・対話である(ルールが明確にあり、それが共有され実践される)

・本質を考える(そもそもを考える、前提を考える)

・フラットな関係で対話する

・(慣れた)ファシリテーターの適切な問いによって場が活性化する

 

哲学対話の可能性をぐんと感じた2日間でした。

 

参加しくれた友人が、

世界を変えるのは、高い対話力をもつ人が増えることではなく、

よい対話を経験したことがある人が増えることと言ってくれたのが嬉しかったです。

 

次回の公民館de哲学対話vol.3はラスト10/15(日)開催です。

お気軽にご参加ください!

 

また思索と実践を深めていきます。