哲学ウォークを開始して、30分を過ぎたころから、
ぽつぽつと手が上がり、「発表」がされるようになりました。
③自分の引いた哲学者の言葉とぴったりとくる風景だと思ったら、
「はい!」と手を挙げて、他の参加者の歩みを止めてください。
そこであなたの引いた哲学者の言葉を発表してください。
歩くときは沈黙をし、話したいときは歩みを止めます。
④あなたの選んだ風景と哲学者の言葉がどういう風にぴったりなのか、
他の参加者に説明をします。
そして、そこから抽出したコンセプトを発表してください。
コンセプトとは、
言葉や風景から受け取った、あなたの解釈や考えを総合的にまとめたものです。
⑤発表を受けて、他の参加者の方は質問をしてください。
いくつかの質問のなかで、発表者は一つだけ選び、その問いについて
考え続けてください。すぐに答えることはしません。
みなさん自分の事で精いっぱいということもあり、
この⑤の質問がほとんど出なくて、苦労しました。
そして僕は途中で諦めました。。
通常の哲学カフェでは、話さなくてもOKですが、
哲学ウォークは話してなんぼみたいなところがあります。
沈黙することと話すことのメリハリがはっきりするといいですね。
この⑤が出ないと、発表者は発表したら終わりになってしまい、
後のウォークが、単なる散歩になってしまいます。
発表が終わっても、まだ考えることが続くように
仕掛けるのがファシリとして重要です。ここが反省点でした。
ちょっとピンぼけ。
Iさんが引いた言葉は、
愛は能動的な活動であり、受動的な感情ではない。
そのなかに”落ちる”ものではなく、”みずから踏み込む”ものである。
エーリッヒ・フロム
Iさんが、ここだと思った風景は谷の湯で、ここは谷の中にあるような
半地下の洞のようなところに潜って入るスタイルの温泉で、
そこから、〈能動性〉と〈みずから踏み込む〉ところを想起したとのこと。
そして、Iさんが考えたコンセプトは「幸せ」。
落ちるのではなく、意思を持って踏み込んで入ることで、
温泉に入る幸せを享受できるという考えに至りました。
参加者の選んだ風景の前で写真を撮ります。
後で振り返りに使います。インスタントカメラなんかあるといいなあと思いました。
Oさんもみずからの風景を発見し、発表されました。
自分の風景が見つかるまで歩きます。
哲学者の言葉と向き合う、移りゆく風景と向き合う、
そこにコンセプトが生み出される。
コンセプトが引き出されるときの、言葉と風景の比重や、
関係性、関連性はみなさん違います。
風景が見出されて初めてコンセプトが生まれる場合もあれば、
哲学者の言葉のなかにコンセプトを見出し、それに合った風景を探す場合もあります。
鉄輪はちょうど湯あみ祭りの準備が行われていました。
1時間くらいは歩いたでしょうか。
しばし渋の湯の前で休憩しました。
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