対話と人と読書|哲学カフェ大分

大分市で哲学カフェ大分を別府市で別府鉄輪朝読書ノ会を開催しています。

【開催報告】アートで哲学カフェ in 国東半島 5.3-2

 

 

僕は隙間が好きだし、隙間から射し込む光線はもっと好きだ。

 

 

 

この生き方、絵描きに限らない。評価されるされないに関わらず、自分が良いと思える事を人と比べず追求する。そんな人はもうすでに本物のアーティスト。そう、実は、アートは絵描きだけの専売特許ではない。誰もがアーティストになれる。Art in You

 

アーティストとして生きること 宮島達男

 

 

 

2番目のスポット、長崎鼻へと向かった。

長崎鼻は長崎ではなく、国東半島の北端に位置する花とアートの岬である。

ここのお目当ての一つ、

「不均質な自然と人の美術館」に参加者のみなさんと入っていった。

外の汚れをなかに入れないためか、靴を脱いでスリッパで入場するスタイルだ。

 

 

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美術館は3つの部屋に分かれていて、ここは「太陽と月の部屋」と呼ばれている

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天井の円形パネルが私たちの動きに合わせて一定のリズムでゆるやかに開閉する。完全に閉じられていても真っ暗になることはない。瞑想をうながすような音楽が流れている。居心地が良く時間が経つのを忘れた。

 

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絶妙なタイムラグのなかで天井から射し込む光線が私についてくるのが面白くてうろうろ歩きまわった

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村上春樹の井戸に射し込む光線を思い出したり、月食時に現れる無数の月の影を思い出したり。スリットを通して射し込む強烈な光線は人を魅了する。光線を可視化するためスモッグかミストのようなものが焚かれていた。

 

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「太陽と月の部屋」は、自然光とインタラクティブに触れ合うよう設計された作品です。部屋の上部に設置された窓は自然光が射し込みやすい角度になるよう設計されています。窓は自動で開閉する288個の小窓で覆われており、それぞれピアノの音に合わせて開閉します。

もし床に日なたが射し込んでいたら、その日なたを踏んでみて下さい。すると、今度は日なたがあなたについてきてくれます。この部屋で演奏されているピアノ曲は自然やあなたの身体の動きに呼応して演奏され常に変化し続けます。

 

不均質な自然と人の美術館 ホームページより

 

 

 

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次の間は「海の部屋」と呼ばれていた。さきほどの光の横溢する場所とは一転して暗闇の部屋で目が慣れるまで虚空をつかむようにして歩く。シャワーのような水滴が絶えず落ちている。そこに光が線となった水滴をスクリーンとして高速で現れる。この光の動きと自分の動きがどう連動しているのかは分からなかった。原初の海にふりそそぐ雨をイメージしているのだろうか。この水滴を直接触ることができる。学校の水泳前に浴びるきつい当たり方をするシャワーを思い出したりもした。

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「海の部屋」は、高速で水の玉を発生させる特殊な噴水*と、超高速で発光する特殊なプロジェクターを用いた、錯視を利用した作品です。
特別な方法で水の玉にプロジェクション・マッピングを行うことで、水の玉が空中に浮かび、自由に動き回っているように見える不思議な体験を演出しました。浮かんでいるように見える水の玉は、触れようとするとインタラクティブに反応してくれます。
演出は、潮位情報や天気の情報を元にゆるやかに変化しています。

 

 不均質な自然と人の美術館 ホームページより

 

 

 

最後は、森の部屋。

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円形の壁一面にアメーバのようなイメージが消えたり浮かんだりしている。それがこちらの動きとどう連動しているかはわからないけど、ついてきている感じもして、壁を触ったり、なんだかやっぱりうろうろした。床が平坦なリノリウムではなくて国東の土だったら良かったのにと思ったりもした。



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「森の部屋」は、円筒型の空間にコンピューターのアルゴリズムでアニメーションを生成・構築しているジェネラティブ・アート作品です。
アニメーションは、「ライフ・ゲーム」*をベースに、美術館の周りの風力・風向の情報も反映させたアルゴリズムに従って発生しており、作家が一枚一枚手描きでアニメーション素材を元に構成されています。
独自に設計・製作された2基の回転型超指向性スピーカー**は、あなたの立つ位置によって動きが変化します。

 

不均質な自然と人の美術館 ホームページより

 

 

 

 

ここにはホームページの説明書きを載せたけれど、

対話型鑑賞あるいはヴィジュアル・シンキング・ストラテジーズでは、

解説文やキャプションに載っている情報に頼らずに考えることが大事である。

だから冊子やパンフレットを読んだり検索したりすることを禁じさせてもらいました。

 

学術的な鑑賞とはまた別で、「あなたなりの見方をしてみよう」ということ。

作品と〈コミュニケーションする〉ということ。そこに〈正解〉はない。

作品は私たちに「答え」ではなく、「問い」を投げかける。

 

 

一通り参加者と美術館を巡った(体験した)後、

それぞれに思いを抱えながら、この人工物とは一転して、

ここから歩いて3分くらいのところにある自然の形作る場所へと足を運んだ。

 

 

つづく。