佐伯市の小学校で哲学に関する講演と哲学対話をしました!
学校内で哲学対話をすることは一つの目標だったので、とても嬉しい依頼でした。
PTAの研修部からの依頼でした。
保護者の方や先生方も集まってくれて50人ほどの集まりでした。
最初に「哲学(てつがく)ってなんだろう?」をテーマに哲学についての説明をしました。小学校4年生から6年生まで、みんな真剣に話しを聴いてくれました。
後のアンケートでは、哲学のことを知ることができてよかったという声が多かったです。
今回は講演前に、みなさんから「問い(謎、疑問)」を集めました。みんなたくさん考えてくれて(日々浮かんだ問いを思い出してくれて)、どの問いもステキだったので、その問いを全部紹介しました。おともだちがこんなことを考えているんだ、こんな問いをあげたんだというのは、保護者や先生方とともにけっこうな驚きだったようです。
後半はみんなから集めた問いのなかから、ひとつ選んで、哲学対話を実際に体験してみました。
問いは、「何のために学校に行くのか?」「学校はみんな行かなくてはいけないのか?」
全体で輪になって、コミュニティボールや、さまざまな僕の問いかけから、みなさん自分の意見を言葉にし、それを聴いていました。最後には保護者の方や先生も対話のなかに入って、一緒に考えました。個人的に反省点はありましたが、哲学対話という体験はかなり有意義なものとなってインパクトがあったようです。
アットホームでとてもあたたかい学校で、緊張せずに話せました。ありがとうございました。また対話の場でお会いしましょう!
※提出した振り返りのレポートをここに転載します
1)最初に設定した目標
・哲学という学問があることを生徒たちに知ってもらう
(難しいものではないよ。こどもたちはみんな哲学者。)
・哲学がこれからの不透明な時代に大事になってくることを伝える
・みんなに自分の「問い」を考えてもらう
・それをみんなと共有する(保護者の方と先生方にも)
・みんなで一つの問いに立ち向かっていく「哲学対話」を知ってもらう(ルールややり方など)
・実際に哲学対話を体験してもらう(自分の意見を表明する、それが他者に聴かれるという体験をする。聴くこと、沈黙の大切さなど)(そしてできれば一人でも哲学や哲学対話ってすごいな、面白いな、楽しいなと思えるといい)
2)成果や反省点
・たくさんのステキな問いが事前に集められたことで、この問いを時間をかけて紹介しようという転換ができたのは良かった。
・自分の問いや意見が丁寧に聴かれ、扱われるという体験に、自尊心が高まった生徒もいたのではないか。
・正解のある学校教育とは違う学びの在り方に視野が広がる生徒もいたのではないか
・予想内ではあるものの、考えを深めたり、お互い質問し合ったりという局面まではいかなかったのはファシリテーターとして反省点ではある。
・時間制限もあったが、志水への質問コーナーを設けてもよかったかもしれない
・保護者からの感想では、哲学は難しいものではなく身近なもので、子どもたちの問いや意見の深さに驚かされたというものが多く、学びや気付きがあったことを成果として感じられた。
・生徒たちの感想からは、同じく哲学というものを知れたこと、他者の意見を聞けて相互理解が深まったことが読み取れたのは大きな成果として感じられた。哲学対話は非日常的な体験ながら、普段の関係性をより良いものにすることに繋がれば、彼等にとって今回の体験はとても大きなものになると思われる。
3)全体的な感想
直川小学校はアットホームでとてもあたたかく、リラックスして話せました。長い歴史の中で積み上げてきた、あたたかく、やわらかな校風を感じられ、そういった場で哲学対話ができることはとても嬉しかったです。見えないけれど、先生と生徒、親と子、生徒同士の関係性が固定化しているのを、外部から来た講師が哲学対話によって少しでもほぐせたのを実感できました。実はそれが隠れた目的でもあります。哲学対話は1回体験しただけで、何かが劇的に変わるということはなくても、池に投げた小石の波紋のように小さくても後々効いてくるような体験になれば嬉しく思います。対話の目的は対話をやめないこと。また対話の場でお会いしましょう。