対話と人と読書|別府フリースクールうかりゆハウス

別府市鉄輪でフリースクールを運営しています。また「こども哲学の時間」など

【開催報告】第百二回 別府鉄輪朝読書ノ会 11.24

 

 

 

ずっと思っていたことがあるんよ。人間が信仰を捨てることはままある、そいでも信仰を取り戻すことなんてできるんでしょうか。何かをふたたび信仰することはできるんでしょうか。

 

『かか』宇佐見りん

 

 

 

 

 

 

十一月の別府鉄輪朝読書ノ会を開催しました。

 

今回は宇佐見りんさんの『かか』を課題図書として、みなさんと感想を交わしました。

 

読みやすかった読みにくかった、入りにくかったというところから、リズムが良い、共感できる、できないなど、まずその独特な言葉遣いのところで引っかかりを感じたり、それこそがこの作品の世界観だと言う方もいました。

 

逃れられない女性性という呪縛、円環性から、神様、女形、男性嫌悪など、テーマの核心をついた対話になっていきました。

 

またみっくんという弟の(装置としての?)存在の薄さや、明子という男性に対してオープンな存在との比較など、作品についていろんな意見が出ることで、立体的な解釈、感想が聞けました。

 

わたしは個人的にこの物語の背景になっている熊野信仰(再生)に興味があり、現代人の魂を救済するために古典的な装置が出てきたところに関心をもちました。SNSでは救済できなかったのですね。

 

 

 

この日のむすびのさんの特製メニューは熊野から発想した、ほうじ茶の茶粥(むかご入り)、田辺市でつくられる「ぼうり」と呼ばれる里芋の煮こみ、金山寺味噌でした!素朴な味でたいへんお腹に沁み入り美味しかったです。

 

 

今日もたくさんのご参加ありがとうございました。

 

次回十二月はさきごろ亡くなられた谷川俊太郎の詩集をとりあげます。

乞うご期待。