ぎゅうぎゅうに入って、身を入れ替わりつつ東西南北を眺めた三階の望楼
眺望をさまたげないために、雨戸を格納する戸袋は窓の左右ではなく下に設えれていた
鴨川デルタの近くにある、旧三井家下鴨別邸の特別公開に合わせて行く。
ツイッターともだちの方に勧められた。
フライヤーの説明文より
旧三井家下鴨別邸は、下鴨神社の南に位置し、三井家11家の共有の別邸として三井北家(総領家)第10代の三井八郎右衞門高棟(たかみね)によって建築されました。この地には明治42年(1909)に三井家の祖霊社である顕名霊社(あきなれいしゃ)が遷座され、その参拝の際の休憩所とするため、大正14年(1925)に建築されたのが現在の旧邸です。建築に際しては、明治13年(1880)建築の木屋町三条上るにあった三井家の木屋町別邸が主屋として移築されました。昭和24年(1949)には国に譲渡され、昭和26年(1951)以降、京都家庭裁判所の所長宿舎として平成19年まで使用されました。近代建築で初期に建築された主屋を中心として、大正期までに整えられた大規模別邸の屋敷構えが良好に保存されており、高い歴史的価値を有していることから平成23年に重要文化財に指定されました。
ちょっと何言っているわかんないほどに、財をこめて贅や粋が塗り込まれている建築物で、通常は非公開で15分間だけ内覧が許された三階部分の「望楼」と呼ばれる4畳くらいのスペースは四方をガラス張りで、大文字山や比叡山の東山の眺望を眺めるためだけの部屋であり、15分間10人入れ替え制でこの間に入ったのであった。景色は粋なものだが人々を見下ろす趣味というものはなく、ただ雨戸の戸袋が横にではなく下にあるように大工に頼んだ(横だと景色を塞いでしまう)趣意にちょっと感動したのであった。
今の豪商はコモンになるような粋を極めた建築物など建てないのだろうか。
つづく