対話と人と読書|別府フリースクールうかりゆハウス

別府市鉄輪でフリースクールを運営しています。また「こども哲学の時間」など

【開催報告】第十七回 別府鉄輪朝読書ノ会

 

八月の別府鉄輪朝読書ノ会を開催しました。主催者のシミズです。八月の課題図書は大岡昇平の『野火』をとりあげて、みなさんと対話しました。

学校などで戦争反対のメッセージとして紹介されたりすることの多いこの作品ですが、実際読んでみると、ただ事実の集積があるだけで、むしろ神の問題や食物連鎖のことなどが大きなテーマになっていることがわかります。私も高校生のとき以来の再読でしたが、印象がまったく違っていました。

遠藤周作の『沈黙』において主人公が転ぶことの極限状態のなかで個人的な神を発見するように、この作品でも戦争という極限状態を通して独自の神を発見する過程が描かれているという話がありました。

 

f:id:kannawadokusho:20170820210925j:plain

今回むすびのさんから提供されましたデザートは、フィリピンで食べられているアボガドコーンイエローというもの。冷たくて美味しかったです。

f:id:kannawadokusho:20170820210825j:plain

作品中、鶏が多く出てくることもあり、鳥肉を中心としたお料理が提供されました。スープも鶏皮の出汁が効いていて美味しかったです。そして芋ですね。

f:id:kannawadokusho:20170820211118j:plain

参加していただいたみなさま、ありがとうございました。八月は毎年、戦争に関するものをとりあげたいと思っていて、今回『野火』について、みなさんと行きつ戻りつしながら、じっくりと考えられられたのは大きな収穫でした。戦時中の飢えについて考えると、なおさら食事の有り難さが身に沁みます。

 

次回、九月は皆川博子の『少女外道』をとりあげます。お楽しみに。