2022-01-01から1年間の記事一覧
体をがむしゃらに動かすと、熱くて息苦しくて一枚また一枚と服を脱いで、真新しい仏壇の前で、真っ裸で踊っていた日を桃子さんは忘れていない。 『おらおらでひとりいぐも』若竹千佐子 六月はベストセラーになり映画化もされ、63歳で作家になった若竹千佐子…
大分市美術館の緑の空間、ガラスの向こうにある緑が好きだ 橋というものはここでは決して、一個の既に現にある岸から、向こう側のやはり既にある岸へと架けられる物ではない。そうではなくして〈橋〉自体が全く同時に、そしてそのままの姿で、流れを軽やかに…
あの朝に感じためまいにも似た感覚は、ずっと昔、小学校から帰るときに経験したのとおなじものだが、自分のもっともな思い出のひとつになっている。あれはいったい何だったのだろう?女の先生がぼんやりした様子で、ほら、そよ風よ、あれが見えないの?と言…
個人的な欲望だけで築き上げた私設のバラ園を訪れる。ここまでものを造るのにどれだけの時間とエネルギーをかけたのだろうか。三十三年間かけて自身の夢想を宮殿として具現化した郵便配達夫シュヴァルを想起させる。今が見頃で5月と10月だけ一般公開している…
わたしは祈る。どうか、考えるということが、まばゆく輝く主体の確立という目的だけへ向かいませんように。自己啓発本や、新自由主義が目指す、効率よく無駄なく生をこなしていく人間像への近道としてのみ、哲学が用いられませんように。 『水中の哲学者たち…
オンライン・ソーシャルカフェを開催しました。 今回は「マインドフルネスって何だろう」をテーマに対話しました。 マインドフルネスが仏教由来なら、 「エンプティ(空)」とか「無」を目指すはずなのに、 なんで「フル」になっているんだろうという問いか…
◆「オンライン・ソーシャルカフェ 5.21」(オンラインのみ) 本屋に行くとマインドフルネスやキャンプ、焚き火などの書籍を多く見かけるようになりました。グーグルなどの会社がマインドフルネス瞑想を取り入れたり、日本ではサウナや温泉で整うことや一人キ…
僕は子どもの複雑化を素直に喜ぶことは大人のたいせつな職務の一つだと思います。 複雑化は計測不能である。それがとても重要なことなんだと思います。 複雑化する時に起きているのは量的な変化ではありません。それは「表情の変化」「手触りの変化」「雰囲…
こども哲学の時間を開催しました。最初にルール説明をして、それから問い出しをしました。 参加者のみなさんが今日問いたい問いは、 ・こどもと大人の違いとは? ・社会人とは誰なのか? ・日本人とはどんな民族なのか? ・マナーとは何か? ・私たちは、成…
◆「こども哲学の時間(主に中高生対象) 」先月に引き続いて、こども哲学を開催します。テーマは問いだしから始めて、参加者のみんなから問いを集め、多数決で一つに絞りたいと思います。たとえば、「普通って何だろう?」とか「自分らしさって誰が決めるの…
今日は『歌ってレコーディング体験!』を開催しました。 みんなで歌って、語って、録音して聴いてみて、他の曲も思いつくままに歌ってみた。 ハモるって楽しい! 最初は大人だけだったけど、子どもたちも自然と入ってきた。 歌って、好きな曲について思い思…
2022.5.2-8 月曜日 日曜日の夜にあるガキ使を10年以上ぶりくらいにテレビで見ているけど、全く面白くなっていることに驚く。YouTubeなどで過去のものを見ると面白いのだが、現在制作されているものの面白くなさは何だろうか、これは充分論考に値するものでは…
◆「歌って、レコーディング体験!」今日歌うことを楽しもう! 歌って、レコーディング体験♩は、上手に歌うことよりも、「今」歌うことを存分に楽しむ企画です。そして、レコーディングにも挑戦します。今日は調子がよい、今日はあまりよくないなど、気分や声…
「満九十歳の誕生日に、うら若い処女を狂ったように愛して、自分の誕生祝いにしようと考えた。」 五月は以前この読書会で扱った川端康成の『眠れる美女』に着想を得て書いた南米のガルシア・マルケス最晩年の作品『わが悲しき娼婦たちの思い出』(新潮社)を…
最近、不登校の子どもたちの専門紙からインタビューを受けました。不登校の子どもたちもしばしば「意思が弱いから学校に行けない」と言われてしまいます。しかし、不登校の子どもたちも「学校に行かないことが自分の意思」とは言い切れないわけです。 行きた…
絵本de考えるカフェを開催しました。 今回は岩崎書店による、死をめぐる絵本シリーズである 『ほっきょくでうしをうつ』作 角幡唯介 絵 阿部海太を読みました。 北極の氷の世界を歩く探検家は、やっとのことで食糧となるジャコウウシと出会い、 銃で仕留めま…
いいテーマだなと思っているのですが、、 参加希望者が少ないなあ。。 ◆「オン哲!(オンライン哲学カフェ)4.29」(オンラインのみ) 4月はお花見や歓迎会の季節でお酒を飲む機会が増えるかもしれません。そもそも大人って、なぜお酒を飲むのでしょうか?お…
絵本を読んで、そのテーマを深掘りし考える。絵本カフェを開催します☆ とき:4月28日(木)14時30分〜15時30分 ところ:別府鉄輪うかりゆハウス テーマ:「絵本 de 考えるカフェ」 一緒に絵本を読んで、考えることを楽しもう! えほん:『ほっきょくでうしを…
宮沢賢治の生涯は「挫折」であったとひとはいう。賢治自身が「半途で倒れた」という以上それは正しいだろうし、わたしもそのように書いてきた。けれどもいったいどこに到達すれば挫折ではなかったというのだろうか。あるひとは賢治が革命の思想に到達しなか…
向かいのアパートで明かりのついている窓は三つだけ。さっきまで灯っていたのとは別の窓だった。あの窓のむこうでうごめいている人たちは、ヴィクトルのことになど何の関心もないだろう。できれば、この間の眠れない夜、目にしたあの女性の姿を見たかった。…
オーストラリア在住の後藤大晴さんと別府フリースクールうかりゆハウスを オンラインで結んで、スペシャルイベント開催しました。 テーマは「世界のリアルな話を聞く!」としてオーストラリアのリアルを みんなで質問しました。 事前学習で学んだ内容を踏ま…
平日お昼に開催のイベントです。 事前学習をして、オーストラリア在住の後藤さんに世界のリアルな話を聞きます。 ○とき:4月22日(金)14時30分〜15時 ○場所:別府鉄輪うかりゆハウス ○テーマ:韓国とオーストラリアについていろいろ質問してみよう 参加申込…
目にふれるひとつひとつのものがおどろきであるようなこの感覚を、だれもが一度はもっていたはずだ。 「心のある道」〈意味への疎外〉からの解放 真木悠介 2022.4.11-17 月曜日 くもりぞら。 妹のクラスでコロナ陽性者が出たとのことで、生徒さんはお休み。 …
対話中に使いたい【問いの道具】。ほんとはもっと沢山あるけど3つまで 安心して対話をするためのルールがあります コミュニティボールを回しながら対話します みなさんが考えたい問いを集めました 外は眩いばかりの春の光のなか、第3回目のこども哲学の時間…
アラブ人にとって白は喪の色だといいます。 文字を奏でる鍵盤に指を持っていきながら考えた。 この世の生きとし生けるものには声があります。声は生きている証拠であり、幸せと哀しみの兆しでもあります。声は、大きくなることもあれば、途切れることもあり…
◆「こども哲学の時間(主に中高生対象) in 別府鉄輪うかりゆハウス 4.17 」 先月に引き続いてこども哲学を開催したいと思います。テーマは問いだしから始めて、参加者のみんなから問いを集め、多数決で一つに絞りたいと思います。たとえば、「普通って何だ…
労働が強制されない社会が実在するか否か、私は今でもしらない。しかしもしそのような社会が存在しうるとすれば、すなわち労働がそれ自体よろこびとして、マルクスが書いているように、人間生命の発現としてありうるとすれば、そこでは必ず、人間と人間との…
近年の大学では新入生に「問いを立てろ」と言うことが多い。でもそんなこといきなりできるわけがないので無視してよい。大事なのは厖大な読書を通して知を身につけ、これまでにない経験を求めること。そして社会に違和感や不満を持つこと。それでやっと問題…
先日ある高校での哲学対話に参加したのですが、自分の意見を持っている生徒が少なく、あとは集団に埋没しているような印象を受けました。意見がないのは当然で、そもそも自分の意見を考えたり言ったりする機会が学校や家庭、地域でなされていないからだと思…
Eテレで僕の好きな番組のひとつ「ふるカフェ系 ハルさんの休日」 今週放送分は、なんと別府鉄輪朝読書ノ会の会場で使わせていただいている 鉄輪温泉のここちカフェむすびのさんが取り上げられます。 企画段階で、読書会の風景も撮りませんかとディレクターに…