対話と人と読書|別府フリースクールうかりゆハウス

別府市鉄輪でフリースクールを運営しています。また「こども哲学の時間」など

読書会

【開催案内】第六十二回 別府鉄輪朝読書ノ会 7.25

「あなただったら何をしましたか?」 『朗読者』ベルンハルト・シュリンク 七月の別府鉄輪朝読書ノ会のご案内です。 七月は現代ドイツ文学で世界的ベストセラーにもなったベルンハルト・シュリンク『朗読者』(新潮文庫)を読んでいきます。 読むのは難しく…

【開催報告】別府鉄輪朝読書ノ会 6.27『菜食主義者』ハン・ガン

お姉さん、…… 世の中の木がすべて兄弟みたい。 『菜食主義者』ハン・ガン(クオン) 六月の別府鉄輪朝読書ノ会を開催しました。 今回は初の韓国文学『菜食主義者』ハン・ガンをとりあげ、 みなさんと感想を交わしていきました。 登場人物への共感の度合いが…

【開催報告】第五回 本読みに与ふる時間 6.13

本読みに与ふる時間を開催しました。 梅雨の朝のひととき、短い時間ですが読書する時間を共有しました。 ご参加ありがとうございました。 今回みなさんの読まれた本です。 『哲学カウンセリング 理論と実践』ピーター・B.ラービ(法政大学出版局) 『彼女た…

【開催案内】本読みに与ふる時間 6.13

こんにちは。主催者のシミズです。五回目の「本読みに与ふる時間」を開催します。 「本読みに与ふる時間」とは各自が日曜日の朝に好きな本を読む、その時間をオンラインで共有するというだけの企画です。参考までに前回の開催報告をリンクします。 kannawado…

【開催案内】第六十一回 別府鉄輪朝読書ノ会 6.27

青黒い闇のため、裏山は普段より深く感じられた。明け方から山の水を汲みに登る勤勉な年寄りもまだ寝ている時間だった。頭を垂れたまま、彼女は歩き続けた。汗なのか涙なのかわからないものでごっちゃになった顔を手の甲で黙々と拭いた。自分をのみ込む穴の…

【開催報告】別府鉄輪朝読書ノ会 5.30『苦海浄土』石牟礼道子

この日はことにわたくしは自分が人間であることの嫌悪感に、耐えがたかった。釜鶴松のかなしげな山羊のような、魚のような瞳と流木じみた姿態と、決して往生できない魂魄は、この日から全部わたくしの中に移り住んだ。 『苦海浄土』石牟礼道子(講談社文庫)…

「対話の可能性」

鷲田清一さんの「対話の可能性」という 詩のような文章にふるえた。 縦書きで書けないのが残念だが、シェアしたいので書き写してみる。 改行はこちらでしました。傍線も僕が引いています。 対話の可能性 人と人のあいだには、性と性のあいだには、人と人以外…

【開催報告】本読みに与ふる時間 5.9

不定期ですが、日曜日の朝の時間にオンラインで少しだけ読書時間を設けるという 試みをやっています。 参加者の方々はそれぞれ自分の読みたい本を持ち寄って読みます。 特に発言をしたりといったことはありません。 静かに読む時間を共有するだけです。 親子…

【開催案内】本読みに与ふる時間 5.9

こんにちは。主催者のシミズです。4回目の「本読みに与ふる時間」を開催します。 「本読みに与ふる時間」とは各自が日曜日の朝に好きな本を読む、その時間をオンラインで共有するというだけの企画です。参考までに前回の開催報告をリンクします。 ↓ kannawad…

【開催案内】別府鉄輪朝読書ノ会 5.30

『苦海浄土』石牟礼道子(講談社文庫) こんにちは、主催者のシミズです。五月の別府鉄輪朝読書ノ会の案内です。GWは特に外出しないという方、普段読まないような「大きな」作品と向き合ってみる絶好の機会かもしれません。 会場のコロナ対策については消毒…

【開催報告】第五十九回 別府鉄輪朝読書ノ会 4.25『こころ』夏目漱石

私の胸はその悲しさのために、どの位寛いだか知れません。苦痛と恐怖でぐいと握り締められた私の心に、一滴の潤を与えてくれたものは、その時の悲しさでした。 『こころ』夏目漱石 この読書会も5周年を迎えました。 ここまで続けてこられたのも、みなさまの…

【開催報告】第参回 本読みに与ふる時間 4.18

僕は飛騨高山に住んでいた頃、農的生活をしていた。 今は空き農地を探し中で、半農的生活を模索している。 日曜日の朝。 「本読みに与ふる時間」を開催しました。 この企画のために早起きしたという方も。 休日のソフトスタートに活用していただけると嬉しい…

【開催案内】第参回 本読みに与ふる時間 4.18

日曜日の朝、オンラインで各自好きな本を持ち寄って20分間その本を読む時間を共有する企画です。 ほとんど話すことはありません。 僕も最低限度のことしか話さないようしています。 ただ黙々と本を読みます。 続けているうちになにか少しづつ見えてくるもの…

【開催報告】第弐回 本読みに与ふる時間

雨の鉄輪 冨士屋ギャラリー 4.4 第二回目の「本読みに与ふる時間」を開催しました。 しずかな小雨の降る日曜日の朝、希望者にオンラインで集まって 20分間だけ各自好きな本を読みました。 他のオンライン企画とは違って僕は極力話さないようにしています。 …

【開催案内】第弐回 本読みに与ふる時間 4.4

こんにちは。主催者の志水です。先週開催した1回目の「本読みに与ふる時間」がなかなか好評だったので、継続したいと思います。ご家族やご友人など、周りに勧めていただけると嬉しいです。前回は男性の参加者はゼロでしたが。。 「本読みに与ふる時間」とは…

【開催案内】第五十九回 別府鉄輪朝読書ノ会 4.25『こころ』夏目漱石

「私は淋しい人間です」と先生が云った。 『こころ』夏目漱石 おかげさまでこの読書会も四月で五年目を迎えます。あまり先のことは考えずに1回1回を楽しんで重ねてきただけなので、特別な感慨はないのですが、ここまで続けて来られたのも支持してくださる方…

【開催報告】別府鉄輪朝読書ノ会 3.28 『JR上野駅公園口』柳美里(河出文庫)

*** あれが人生のピークだったなんてなぁ… *** 死にたいというよりも、努力することに、疲れた。 *** 擦れ違う時は誰もが目を背けるが、大勢の人間に見張られているのが、ホームレスなのだ。 *** どんな仕事にだって慣れることができたが、人生にだけは慣れ…

【新しい企画のご案内】第壱回 本読みに与ふる時間

先日オンラインで、「読む時間」という読書会に参加しました。 以前からSNSでつながりのあった方が主催しているもので、 開催報告からなんとなくこれは良さそうだとあたりをつけて参加しました。 (「なんとなく」って大事ですよね。) 「読む時間」さんのツ…

【開催案内】第五十八回 別府鉄輪朝読書ノ会 3.28

『JR上野駅公園口』柳美里(河出文庫) 東日本大震災から10年が経とうとしています。 毎年3月は震災に関連する本を読むようにしています。 この震災を遠く九州で体験した私は、第三のコミュニティの重要性に気付き、この読書会を立ち上げるきっかけにもなり…

【開催報告】第五十七回 別府鉄輪朝読書ノ会 2.28 『深い河』遠藤周作

地面では傷ついた兵士の呻き声や泣き声が聞こえるのに、小鳥たちはまったくそれに関心がないように、ひたすら楽しげに鳴き声をかわす。 『深い河』遠藤周作 第五十七回の別府鉄輪朝読書ノ会を開催しました。 今回の課題図書は『深い河』遠藤周作でした。 キ…

【開催報告】第五十六回 別府鉄輪朝読書ノ会

バッグの底から、髪の先から、ひじからあごから雨は流れ落ち、わたしはスニーカーのなかで雨を踏み、これ以上はひきのばせないくらいの長い一歩を何度もかさねた。角をまがるところまで来たとき、目を閉じて、息を吐いた。そして祈るような気持で五秒をかぞ…

【開催報告】第五十五回 別府鉄輪朝読書ノ会 11.22 『過ぎ行く人たち』高橋たか子

他の人々の夢だったものを、どういうわけか私が背負って、ここまで何十年も来たらしい。そうかどうか?だから、思い出す。思い出してきた。言うに言われぬ懐かしさをもって。その人を。 『過ぎ行く人たち』高橋たか子(女子パウロ会) 十一月の別府鉄輪朝読…

【開催案内】第五十六回 別府鉄輪朝読書ノ会 12.20

そうですね、三束さん。なんでもないのに、涙が出るほど、きれいです。 『すべて真夜中の恋人たち』川上未映子(講談社文庫) 十二月、今年最後の別府鉄輪朝読書ノ会の案内です。 十二月の人恋しい季節に、思い切りの恋愛小説を読んでいきます。 内容紹介 (…

【開催案内】別府鉄輪朝読書ノ会 11.22 『過ぎ行く人たち』高橋たか子(女子パウロ会)

十一月の別府鉄輪朝読書ノ会の案内です。 十一月はフランス巡礼の旅を小説にした 高橋たか子『過ぎ行く人たち』(女子パウロ会)を読んでいきます。女子パウロ会さんは初めて扱う出版社です。お楽しみに! ○課題図書:『過ぎ行く人たち』高橋たか子(女子パ…

【開催報告】第五十四回 別府鉄輪朝読書ノ会『赤目四十八瀧心中未遂』

あの帽子は わたしがころんだすきに 波にのまれてしまったのです ひろってください 帽子は波にのってただよっています ほら すぐ手のとどくところに あなたが一生懸命 手をのばしたのはわかっています 今日は 海の水がおこっている日 あなたをさえ 波がのみ…

大分合同新聞に掲載されました。10.15

2020年10月15日付 大分合同新聞掲載 今日の大分合同新聞に別府鉄輪朝読書ノ会が記事になっています。 なかなかのQ数の大見出し、そしてカラーで、けっこう目立っていました。 取材して記事にしていただいたWさん、ありがとうございます。 そして、その影響…

【開催案内】第五十四回 別府鉄輪朝読書ノ会 10.18

「まあまあ、ええ。あんたの腐れ金玉が歌歌いよるが。」 『赤目四十八瀧心中未遂』車谷長吉 こんにちは。 十月の別府鉄輪朝読書ノ会の案内をします。 十月は『赤目四十八瀧心中未遂』車谷長吉(文春文庫)を読みます。 僕にとっては奇跡のような小説です。作…

【開催報告】第五十三回 別府鉄輪朝読書ノ会 9.27

この家には、悪はありません。 『眠れる美女』川端康成 九月も末の朝は涼風というか肌寒いような風が吹くなか、 五十三回目の別府鉄輪朝読書ノ会を開催しました。 今回の課題図書は『眠れる美女』川端康成をみなさんと読んでいきました。 ガチの変態小説と銘…

【開催案内】別府鉄輪朝読書ノ会 9.27『眠れる美女』川端康成

「秘仏と寝るようだ。」 『眠れる美女』 「私のいつも孤独の部屋であるが、孤独ということは、なにかがいることではないのか」 『片腕』 眠れる美女・片腕・散りぬるを(新潮文庫) 九月の別府鉄輪朝読書ノ会は気分を変えて変態小説を読んでいきたいと思いま…

【開催報告】第五十二回 別府鉄輪朝読書ノ会 8.23『火垂るの墓』

暮れるにしたがって、風のたび低くうなりながら木炭は赤い色をゆらめかせ、夕空には星、そして見下せば、二日前から灯火管制のとけた谷あいの家並み、ちらほらなつかしい明りがみえて、四年前、父の従弟の結婚について、候補者の身もと調べるためこのあたり…