対話と人と読書|別府フリースクールうかりゆハウス

別府市鉄輪でフリースクールを運営しています。また「こども哲学の時間」など

2021-01-01から1年間の記事一覧

【開催案内】本読みに与ふる時間 9.19

◆「本読みに与ふる時間 9.19 」「本読みに与ふる時間」とは各自が日曜日の朝に好きな本を20分間読む、その時間をオンラインで共有するというだけの企画です。【企画の概要】・各自が読まれる本は問いません。文芸書でもビジネス書でもお子さんと一緒に絵本を…

【開催案内】オン哲!9.18(オンライン哲学カフェ)

今回のテーマは「最近冒険してますか?」です。ネットの口コミサイトが充実してきて、たとえば外食をする場合など事前に調査をし(自分が直接経験せずに)判断を下し、行く店を決めるなどが当たり前になってきていますが、そういう冒険性が失われた世界で、…

パピルスからPDFまで

2002.10 Seoul 日本ではもう舗装されていない路を見つけるのは難しい この本のタイトルをどうしようかとあれこれ考えつくしたあとに、私たちは正しいタイトルにいたりついたのだろうか。 『建築する身体』荒川修作+マドリン・ギンズ 2021.9.6-12 月曜日 昨…

空蝉 うつせみ

2002.10 Seoul 裏路地は終始猥雑ではあったが、妙に人を落ち着かせるものがあった 主体は、それ自体が解体されることなしには、そしてその結果対象が際限のない一連の移動へと逃れていくのを見ることなしには、欲望することはできません。 『自我』ラカン 20…

Comme à la radio ラジオのように

ラジオの事前収録をしました。 OBSのビルは197号線沿いにあり、いつも素通りしてばかりだったけど、 昨日は初めてスタジオ内に入りました。 ディレクターのイイクラさんと対話形式で進行して、 自分の活動の思いや趣旨を語りました。 イイクラさんもまた僕と…

【開催案内】第六十四回 別府鉄輪朝読書ノ会 9.26『李陵・山月記』

『李陵・山月記』中島敦(新潮文庫) 九月の別府鉄輪朝読書ノ会の案内です。 九月はピース又吉さんもオススメの 中島敦『李陵・山月記』(新潮文庫)を読んでいきます。『山月記』は教科書以来の方も多いはず。漢文調のリズムが美しく凛々しい、習うより慣れ…

もうギターは聞こえない

2002.10 Seoul 屈曲し続ける迷路のような路地を疲れを知らぬまま歩きに歩いた すべて成熟は早すぎるよりも遅すぎる方がよい。これが教育というものの根本原則だと思う。 『春宵十話』岡潔 一週間 8.23-29 月曜日 吉村萬壱先生とツイッターでやりとりする。別…

【開催報告】第六十三回 別府鉄輪朝読書ノ会 8.29

言葉以前の悲しみを、私は誰かに知って貰いたかったのだ。 『桜島』梅崎春生 八月の別府鉄輪朝読書ノ会を開催しました。 毎年八月は戦争文学をとりあげているのですが、今回選んだ作品は、 講談社文芸文庫の梅崎春生『桜島・日の果て・幻化』でした。 はじめ…

【開催報告】悩める教師のためのオンライン対話 8.28

悩める教師のためのオンライン対話を開催しました。 今回選んだテーマは「学歴は不要か?」でした。 学校教育の変革といったことを考える際に、いい大学を出て、いい会社に入るという考え方を変えていかないと、変革は起きないという前提で始めました。 初め…

【開催案内】悩める教師のためのオンライン対話 8.28

好評の悩める教師のためのオンライン対話を開催します。 「悩める教師のための〜」とありますが、教師ではないけれど、一緒に考えたい方の参加もOKです。広く学校や教育について考えましょう。(僕自身も教師ではありません。)ファシリテーターのコメント今…

Black girl combing her hair

2002.10 Seoul 未知の国の朝の出勤風景のなかでわたしは彼らと同じ方向を歩いた。 行動の中心であるべきさまざまな人物が、諸事物が出現する多元的な質の差異のうちに入り込み、それらの事物と相互に浸透し始めるような世界は、笑いに満ちている。 『小津安…

【開催報告】第七回 本読みに与ふる時間

八月の本読みに与ふる時間を開催しました。 今回読まれた本は以下の二冊でした。 『イーハトーブ温泉学』岡村民夫(みすず書房) 『どこでもいいからどこかへ行きたい 』pha(幻冬舎文庫) Oさんの読まれていた本の紹介文をアマゾンで読む。 家にいるのが嫌…

【開催案内】オンライン・ソーシャルカフェ 8.21

◆「オンライン・ソーシャルカフェ 8.21 」 今回のテーマは「幽霊って何なん?」です。夏の暑さを忘れるためか、ゾッとして冷える怪談話をこの時期はよく聞きますね。なぜ幽霊は語られるのか。リンクした記事を参考としつつ、信じる信じないに関わらず幽霊や…

風は完璧に私を比喩とした。

2002.10 Seoul 壁の影が濃かった。壁から壁へ飽きることなく歩いた 人はどうして道を失うことの焦燥と脱出への冀求のみを語ってきたのだろうか、と考え始める。壁から壁へ、敷石の起伏と屈折に身をゆだねながら歩き続けているかぎりほとんど無限に歩くことの…

【開催報告】オン哲!8.15(オンライン哲学カフェ)

8月のオンライン哲学カフェを開催しました。 今回のテーマは「過去の行為をさかのぼって罰することとは?」でした。 SNSにおいて、過去の言動が永遠に「過去」になってくれず、いつも現前化した状態で表れるというインターネットの特性(書籍や手紙などなら…

【開催案内】オンライン哲学カフェ 8.14

◆「オン哲!8.14(オンライン哲学カフェ) 」 今回のテーマは「過去の行為をさかのぼって罰することとは?」です。国家レベルでは戦後75年経った今も続くナチスに加担した者への刑事責任の追及や、日本の周辺国への戦争責任など。個人のレベルでは、過去のセ…

くたびれた色気

2002.10 Seoul 町や人が活気に充ちているというより、いわく言いがたい疲弊を感じたが、よれたワイシャツや町の傾いた看板にくたびれた色気というものがあった。梶山季之が『性欲のある風景』で描いた高野山別院の大伽藍と色街が背中合わせにあった極楽坂の8…

8.6

大江健三郎『アトミック・エイジの守護神』と金在南『暗やみの夕顔』を読んだ。集英社の戦争×文学という一連のアンソロジー・シリーズは本当にすばらしいと思う。最初に原民喜『夏の花』。これ以外にない。2016年の8月の読書会で『夏の花』をとりあげた回は…

Never say never again / 次はない、なんて言わないで

2002.10 Seoul 知らない土地に見覚えのある雨が降った 偉大な思想家の思索の全貌を薄く広く要約的に紹介するだけの「入門書」は、結局、何に対しても読者を「入門」させてくれない。 神学者 山本芳久 月曜日 昨日の読書会に参加された方から、1日置いて考え…

【開催案内】別府鉄輪朝読書ノ会 8.29『桜島・日の果て・幻化』

主催者のシミズです。八月の別府鉄輪朝読書ノ会の案内をします。 会場のコロナ対策については消毒液の準備や常時換気などで対応をしています。マスクは各自でご準備ください。参加を希望される方はこのメールへの返信で構いませんのでお申込みください。事前…

Against the Day / 逆光

2002.10 Seoul 朝の鮮やかな国で この日通学途中の女子学生のスカートを翻らせた파람 パラム(風)はどこにいったのだろう どの道を行っても道ごとに落日があると知っていて,それを見たいのだかよけたいのだか,逆光の防砂林をぬけて目つぶしを射てくるものに…

【開催報告】別府鉄輪朝読書ノ会 7.25

何週間にもわたる裁判のあいだ、ぼくは何も感じなかった。 わたしはずっと、どっちみち誰にも理解してもらえないし、わたしが何者で、どうしてこうなってしまったかということも、誰も知らないんだという気がしていたの。誰にも理解されないなら、誰に弁明を…

【開催案内】新企画「オンライン・ソーシャルカフェ 7.23」

大運動会スタジアム ソーシャルカフェとは、社会の課題や問題点について語り合い、解決の糸口やヒントを見出し、より良い社会に近づくため、また民主主義の足場になるような対話型コミュニティを目指す試みです。不定期で開催したいと思います。今回は大運動…

人が待ち時間に空を見上げなくなったから、UFOの目撃情報が減った

私は「青く高い空」の章では、人が戦場でたおれるとき青い空を恋しがり、あそこに幸福があったと思うということについて話した。 小島信夫『私の作家遍歴』 2002.10 Seoul 一週間 月曜日 ウカリユハウスの壁面の塗装が大方終わる。思ったより白く輝いていて…

【開催報告】第六 本読みに与ふる時間 7.18

2005.12 Atami , kinomiya 六回目の「本読みに与ふる時間」を開催しました。本読みに与ふる時間とは、日曜日の朝に各自自分が読みたい本を読む、そんな時間をオンラインで他の参加者と共有する、ただそれだけのイベントです。読まれる本のジャンルは問いませ…

【開催案内】本読みに与ふる時間 7.18

tsukumi city , 2012 「本読みに与ふる時間」とは各自が日曜日の朝に好きな本を20分間読む、その時間をオンラインで共有するというだけの企画です。 【企画の概要】・各自が読まれる本は問いません。文芸書でもビジネス書でもお子さんと一緒に絵本を読んでも…

【開催報告】オン哲!7.10(オンライン哲学カフェ)

僕が現場と言うのは、たんに目の前にある場所ということではないのです。 『遠野物語』森山大道 七月のオンライン哲学カフェを開催しました。 今回のテーマは「諦めることとは」についてみなさんと対話しました。 仏教では「諦める」ことがポジティブな意味…

エリ・エリ・レマ・サバクタニ

ここにすべてがあるから、わたしは書くために遠くまで行く必要はない。 辻山良雄 鉄輪温泉渋ノ湯の裏手にある月を象った碑。どういう意味があるのか分からない 一週間 月曜日 暑い、蒸す、これはもう夏だ。クーラーつける。 昨日の韓氏意拳の稽古の残響、筋…

【開催報告】オンライン・シネマ哲学カフェ 7.3

久しぶりにシネマ哲学カフェを開催しました。 今回は2018年にカンヌの最高賞パルムドールを受賞した是枝裕和監督の 「万引き家族」を題材に、”人が人を大事にする、人に大事にされるって何だろうか”を テーマに参加者のみなさんと対話しました。 初めに映画…

青い卵、青い船。

なにはともあれ日記者は日記することで生きのびなければならない. 『累成体明寂』黒田夏子 鉄輪温泉渋ノ湯の裏にある、太陽を表した碑 一週間 月曜日 涼しい。雨曇り。 ブラジルの熱帯雨林に住むヤノマミ族(人間という意味)には雨の言葉が五十を超えるとい…