対話と人と読書|別府フリースクールうかりゆハウス

別府市鉄輪でフリースクールを運営しています。また「こども哲学の時間」など

2021-01-01から1年間の記事一覧

【開催案内】オン哲!7.10(オンライン哲学カフェ)

こんにちは。主催者のシミズです。七月のオンライン哲学カフェの案内です。 今回のテーマは「諦めることとは」です。ある禅僧の言葉を紹介します。”「諦める」の語源は「明らむ=明らかにする」。 仏教では、「物事の理(ことわり)をはっきりした上で、その…

【開催案内】第六十二回 別府鉄輪朝読書ノ会 7.25

「あなただったら何をしましたか?」 『朗読者』ベルンハルト・シュリンク 七月の別府鉄輪朝読書ノ会のご案内です。 七月は現代ドイツ文学で世界的ベストセラーにもなったベルンハルト・シュリンク『朗読者』(新潮文庫)を読んでいきます。 読むのは難しく…

One More Light

基本的に受け身を取れるのは、受け身を取れるように投げているからですよね。 光岡英稔 一週間 月曜日 夏至の日。晴れた夏至の日というのはあまり記憶にない。せっかくならと太陽を浴びたくて、無意味にあてもなく近場をドライブする。窓から入ってくる風が…

【開催報告】別府鉄輪朝読書ノ会 6.27『菜食主義者』ハン・ガン

お姉さん、…… 世の中の木がすべて兄弟みたい。 『菜食主義者』ハン・ガン(クオン) 六月の別府鉄輪朝読書ノ会を開催しました。 今回は初の韓国文学『菜食主義者』ハン・ガンをとりあげ、 みなさんと感想を交わしていきました。 登場人物への共感の度合いが…

【開催案内】オンライン・シネマ哲学カフェ 7.3

映画「万引き家族」 こんにちは。 シネマ哲学カフェを開催します。一本の映画を事前に見ていただき、その感想を話し合い、映画のテーマを深堀していくオンラインの対話の場です。今回選んだ作品はカンヌ映画際で最高賞を受賞し話題になった是枝裕和監督2018…

裸女のいる隊列

伝わらなくても、自分の中で生まれ発せられたことばは、とおとい。 伝わらないことばほど、あなたの中でしか生まれないことばで、なおさら、とおとい。 伝わることばがすぐれているというわけでは、ない。 それは便利だが、伝わらないことばには、そのことば…

【開催報告】オン哲!6.19(オンライン哲学カフェ)

鉄輪の石垣の間に生える野花がうつくしい オン哲!(オンライン哲学カフェ)を開催しました。 今回のテーマは「声」。 形としてはっきりととらえることができないテーマだったので、 みなさんと少しづつ考えを断章のように寄せ集め合いながら、 行きつ戻りつ…

【開催案内】オン哲!6.19(オンライン哲学カフェ)

オンラインでの哲学対話の案内です。 今回は「声」についてみなさんと問い考えてみたいです。 ◆「オン哲!6.19(オンライン哲学カフェ) 」 今回のテーマは「声」です。コロナの影響でオンラインが増えて他者の声を耳元で聞く機会が増えたり、動画サイトなど…

【開催報告】悩める教師のためのオンライン対話 6.12

学校の中に目的がないことを認める場所を作ることは、とても大切なことではないかと思っている。 『哲学対話と教育』「そういえば、結局のところ、対話するってどんなことだろう?」中川雅道(大阪大学出版会) 悩める教師のためのオンライン対話を開催しま…

【開催報告】第五回 本読みに与ふる時間 6.13

本読みに与ふる時間を開催しました。 梅雨の朝のひととき、短い時間ですが読書する時間を共有しました。 ご参加ありがとうございました。 今回みなさんの読まれた本です。 『哲学カウンセリング 理論と実践』ピーター・B.ラービ(法政大学出版局) 『彼女た…

腐草為螢(くされたるくさほたるとなる)

花があちこちに咲いて草が生い茂っている季節は、猫にとって世界はどんな匂いの集合体になっているのだろうか。 『明け方の猫』保坂和志 一週間 月曜日 哲学カウンセリング、哲学相談について調べる。 積ん読のままになっているピーター・B .ラービ『哲学カ…

【開催案内】本読みに与ふる時間 6.13

こんにちは。主催者のシミズです。五回目の「本読みに与ふる時間」を開催します。 「本読みに与ふる時間」とは各自が日曜日の朝に好きな本を読む、その時間をオンラインで共有するというだけの企画です。参考までに前回の開催報告をリンクします。 kannawado…

夜の靴を探して

堕落した情報があるのではなく、情報それ自体が堕落なのだ。 ジル・ドゥルーズ『シネマ2 時間イメージ』法政大学出版局 一週間は一週間。 月曜日 五月が終わる。みなで訪れた国東の日が遠い昔のようだ。あのころに比べ、すでに日は鋭さを持ちはじめている。…

【開催案内】悩める教師のためのオンライン対話 6.12

六月の「悩める教師のためのオンライン対話」の案内です。 興味のある方はホームページよりお申し込みください。 *** 「悩める教師のための〜」とありますが、教師ではないけれど、一緒に考えたい方の参加もOKです。広く学校や教育について考えましょう。(…

【開催案内】第六十一回 別府鉄輪朝読書ノ会 6.27

青黒い闇のため、裏山は普段より深く感じられた。明け方から山の水を汲みに登る勤勉な年寄りもまだ寝ている時間だった。頭を垂れたまま、彼女は歩き続けた。汗なのか涙なのかわからないものでごっちゃになった顔を手の甲で黙々と拭いた。自分をのみ込む穴の…

幻ブルーマンデー

松永久美子をはじめとして、手足や身体のいちじるしい変形に反比例して、なにゆえこの子たちの表情が、全人間的な訴えを持ち、その表情のまま、人のこころの中に極限のやわらかさで、移り入ってきてしまうのだろうか。 『苦海浄土』第二部 神々の村 第一章 …

【開催報告】別府鉄輪朝読書ノ会 5.30『苦海浄土』石牟礼道子

この日はことにわたくしは自分が人間であることの嫌悪感に、耐えがたかった。釜鶴松のかなしげな山羊のような、魚のような瞳と流木じみた姿態と、決して往生できない魂魄は、この日から全部わたくしの中に移り住んだ。 『苦海浄土』石牟礼道子(講談社文庫)…

【開催報告】オン哲!5.22「癒しってなんだろう?」

オンラインのようす 久しぶりにオン哲!(オンライン哲学カフェ)を開催しました。 テーマは「癒しってなんだろう?」でした。 人と共にいる癒しもあれば、一人でいる癒しもある。 つながる癒しと断ち切る癒し。 求める癒しと訪れる癒し。 「主婦」とか「母…

バカ波。

1週間のふりかえり 世の中の裏側にあるような貧しげな宿屋を見ると、私はむやみに泊まりたくなる。そして侘しい部屋でセンベイ布団に細々とくるまっていると、自分がいかにも零落して、世の中から身捨てられたような心持ちになり、なんともいえぬ安らぎを覚…

筋斗雲はだれもが乗れるわけではないのに、ちぎって分け与えることができる

数に溺れて、、ではなく蒲団に溺れて 1週間のふりかえり その杉本家の肇や、清や、勝や、この四つか三つか五つのちいさな年子たちは、けんめいに反りくりかえって走り去ったが、すれ違うとき汚れた頬っぺたがももいろをおびて、金毛の孫悟空のように笑い、清…

【開催案内】オン哲!5.22(オンライン哲学カフェ)

◆「オン哲!5.22(オンライン哲学カフェ) 」 久しぶりのオンラインによる哲学カフェを開催します。今回のテーマは〈癒し〉です。コロナ渦のなか、ストレスがたまることが多いと思いますが、みなさんは何が〈癒し〉となっていますか?癒しはそもそもどこから…

〈哲学カフェ大分〉の対話のルールやコンセプトなど

〈哲学カフェ大分〉の対話のルールやコンセプトは、 対話の開始前にいつも僕が読み上げて共有しているものですが、 一度ここに書き記したいと思います。 対話のルールは、それぞれの哲学カフェで違いますが共通しているものも多い でしょう。対話のルールは…

「対話の可能性」

鷲田清一さんの「対話の可能性」という 詩のような文章にふるえた。 縦書きで書けないのが残念だが、シェアしたいので書き写してみる。 改行はこちらでしました。傍線も僕が引いています。 対話の可能性 人と人のあいだには、性と性のあいだには、人と人以外…

【開催報告】アートで哲学カフェ in 国東半島 5.3-6

最後に訪れたのは、「成仏」という名前の地名につくられた、 宮島達男の「HUNDRED LIFE HOUSES」という作品。 いままでこの開催報告の冒頭に宮島氏の言葉をもってきたのは、 ここに結びつけるためということもありましたが、 参加者の問いかけのなかに「評価…

【開催報告】本読みに与ふる時間 5.9

不定期ですが、日曜日の朝の時間にオンラインで少しだけ読書時間を設けるという 試みをやっています。 参加者の方々はそれぞれ自分の読みたい本を持ち寄って読みます。 特に発言をしたりといったことはありません。 静かに読む時間を共有するだけです。 親子…

Art in You. Art in You. Art in You...

私が愛した世界は15億の人口だった。60億人が暮らす今の世界は、もはや私とは無縁の存在です。 レヴィ=ストロース 晴れて無職になって半月ばかりが過ぎる。 とにかく自由ということの素晴らしさを骨の髄まで味わっている。 日本のサラリーマンも年に1ヶ…

【開催報告】アートで哲学カフェ in 国東半島 5.3-5

名前のない海岸と名前のある私たち。 岸辺のない海に辿りつく 目的を失うと、すべてまわりの責任にする。「環境が悪い」「日本の文化度が低い」「社会が悪い」「マーケットが悪い」…そして、戦略を巡らし、外堀から埋めようとする。これではいつまでたっても…

【開催案内】本読みに与ふる時間 5.9

こんにちは。主催者のシミズです。4回目の「本読みに与ふる時間」を開催します。 「本読みに与ふる時間」とは各自が日曜日の朝に好きな本を読む、その時間をオンラインで共有するというだけの企画です。参考までに前回の開催報告をリンクします。 ↓ kannawad…

【開催報告】アートで哲学カフェ in 国東半島 5.3-4

鳥は人のためにではなく世界のために啼いている。 鳥の啼き声の意味がわかるだろうか? 喰えることと質とは別次元である。この「質」と向き合うことは、自分と向き合うこと。外的要因ではなく自分の努力で報われる世界。ここは裏切らない。「喰えることは偶…

【開催報告】アートで哲学カフェ in 国東半島 5.3-3

日常にある死と再生。昨日の自分と今日の自分は同じ存在だろうか。 そもそも職業とは誰かのニーズがあり、そのニーズに応えて成立するもの。アートには、もともとニーズがない。自発的に想いをカタチにしているだけ。だから職業となじまない。しかし、ごくま…